法律の勉強を初めて驚いたことといえば,
・教科書は日本人が書いたものばかり。
・論文も日本語のものばかり。
・レフェリー付きの学術雑誌がない。
といったことでした。
日本の法律の研究者は,ほとんど日本にしかいないので,上記のことは,よく考えれば当たり前のことでした。
でも,こんな状況は,法学部と文学部くらいではないかな?
理系の学問(経済も同様のようです。)では,英語で書かれた教科書の部数が圧倒的に大きいので,メジャーな教科書は英語でかかれたもの(かその翻訳版)になってしまいます。論文も,レフェリーの査読付きのジャーナルで英語のものでなければ,業績にカウントして貰えません。

良くも悪くも,法律の世界は,基本的に,ドメスティックかつローカルなものなんですね。
もっとも,19世紀になっても,現代風に翻案されたローマ法が,ヨーロッパ共通の司法としての性格を有し,機能していたのだとか(窪田先生の「不法行為法」312頁参照)。そのころは,各国の学者が同じ法律を議論することもできたのでしょうね。