2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

TPPとデータ保護期間(再審査期間)

先週の金曜日の朝刊に、TPPの交渉について、交渉参加国が「新薬の開発データの権利を保護する機関を「8年」で調整している」との報道がありました。 日本の場合、薬事法14条の4の再審査期間が、実質的なデータ保護期間として機能しています。再審査期間…

引用発明の適格性

本願発明の進歩性を判断する際、まず、引用発明を決め、その引用発明から本願発明に至ることが容易であったか否か(つまり、本願発明と当該引用発明との相違点を解消することが容易であったか否か)を検討します。この引用発明は、主引用発明とよばれます。 …

サポート要件適合性の規範(「当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のもの」と「必要かつ合目的的な解釈手法」)

[2つの規範] サポート要件適合性の規範としては、多くの場合、偏光フィルム事件の「特許請求の範囲の記載が,明細書のサポート要件に適合するか否かは,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に記載された発明が,発明…

庭園の著作物に対する建築の著作物の条項の適用 (同一性保持権の一般条項としての著作権法20条2項4号)

[建築の著作物の特殊性] 著作権法では、著作物の例示として、建築の著作物が挙がっています(10条1項5号)。 建築の著作物では、第三者にその利用が広く認められるとともに(46条2号;「建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡によ…

自炊代行業者に対する差止め

いわゆる自炊代行業者に対する差止め及び損害賠償請求訴訟の判決が出ています(東京地判平成25年9月30日(平成24年(ワ)第33535号)。まねき及びロクラクの最判から予想されたとおり、判決は、権利者の請求を認容しました。 「枢要な行為」に関…