TPPとデータ保護期間(再審査期間)

 先週の金曜日の朝刊に、TPPの交渉について、交渉参加国が「新薬の開発データの権利を保護する機関を「8年」で調整している」との報道がありました。

 日本の場合、薬事法14条の4の再審査期間が、実質的なデータ保護期間として機能しています。再審査期間には新薬のタイプに応じて長短がありますが、既に製造販売の承認を与えられている医薬品と有効成分が明らかに異なる医薬品(オーファンを除く。)(「新有効成分含有医薬品」と呼ばれます。)の再審査期間が8年です。

 日本の薬事行政の運用は、厚労省の局長又は課長通知に依存していることが多々あります。新有効成分含有医薬品の再審査期間も、その一つです。平成19年の医薬食品局長通知により、8年とされました。
 
 薬事法では、14条の4第1項に

イ オーファンその他厚生労働省令で定める医薬品 6年を超え10年を超えない範囲内において厚労相の指定する期間

ロ 効能効果のみが明らかに異なる医薬品 6年に満たない範囲内において厚労相の指定する期間

ハ それ以外  6年

と規定されています。
 そして施行規則57条で、法14条の4第1項イについて、副作用等その他の使用成績等の調査が必要であると認められる医薬品が指定されています。
 平成19年以前では、新有効成分医薬品の再審査期間は、6年でした(ハの「それ以外」)。しかし、「安全対策の更なる充実強化の観点から」、8年に変更されました(イの「その他厚生労働省令で定める医薬品」)。