2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

専属管轄の合意と併合管轄(国際裁判管轄)

我が国では、これまで、渉外的な民事訴訟での国際裁判管轄についての立法はなされていませんでした。国際裁判管轄について、裁判所の発展させてきたルールは、 ・民事訴訟法の国内の土地管轄に関する規定に列挙されている裁判籍のいずれかが我が国内にある場…

多機能型間接侵害の規定導入後の「のみ」要件

特許法101条(間接侵害の規定)は、元々、現在の1号(物の発明)と4号(方法の発明)のみで構成されていました。これらの条項では、生産等の対象が、いわゆる専用品であることが要求されています(例えば、方法の発明について、「業として、その発明の…

著作権の保護期間と過失

格安DVDの著作権侵害の事案で、知財高裁が過失を否定して損害賠償請求を棄却した件(知財高裁平成22年6月17日)につき、最高裁が破棄差戻しの判決を下しています(最判平成24年1月17日)。[著作権の保護期間] 格安DVDの事案での争点は、著…

パブリシティ権の性質

ピンクレディ事件の最高裁判決が出ています(最判平成24年2月2日)。 パブリシティ権の性質については、人格権的構成と財産権的構成とがあり、どちらに依拠するかによって、権利の譲渡や相続について違いが生じます(これまでの下級審判決の詳細な解説と…

著作権侵害と一般不法行為

北朝鮮映画事件の最高裁判決(最判平成23年12月8日)が出ています。 控訴審(知財高判平成20年12月24日)は、北朝鮮の国民が著作者である映画(当然のことながら、映画の著作物に該当します。)について、著作権法6条による保護を受けられないと…

プロバイダ責任制限法上の「特定電気通信」と1対1の通信、著作権法上の「公衆」

プロバイダ責任制限法の適用対象を画する上で、「特定電気通信」は重要な概念です。プロバイダの損害賠償責任が制限されるのも、発信者情報開示請求権が生じるのも、「特定電気通信」との関係です。 「特定電気通信」は、「不特定の者によって受信されること…