2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

改変した商品について商標を付したまま販売する行為

原則として、第三者は、他人の登録商標を使用する権限を有していません。しかし、出所表示機能及び品質保証機能を害さない態様での使用行為(例えば、流通経路での転売)は、実質的な違法性を欠くため、商標権侵害の責任を問われることはありません。 その一…

特許を受ける権利を原始的に会社に帰属させると何が解決するのか

日経の報道によると、政府の「知財政策ビジョン」では、従業員のなした職務発明の特許を受ける権利について、従業員ではなく、初めから会社に帰属させるという提案がなされるようです。著作権法では、既に、一定の要件の下、職務著作は被用者に帰属しますが…

特許法102条2項及び著作権法114条2項における損害の発生の要件

知財高判平成25年2月1日の大合議判決は、従前の一般的な説(特許法102条2項では、権利者の実施が要件であるとの説)を覆し、「特許権者が当該特許発明を実施していることは、同項を適用するための要件とはいえない」と判示しました。 具体的な内容は…

付与後レビュー制度

産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会の平成25年2月付け報告書案「強く安定した権利の早期設定及びユーザーの利便性向上に向けて」によると、各種案の中から付与後レビュー制度を導入することが適切とされました。 この「付与後レビュー制度」…

FRAND条項による権利濫用

報道によると、アップルとサムスンのスマホ訴訟(サムスンが原告のもの)において、地裁は、サムスンがFRAND条項にもかかわらずアップルと誠実に交渉しなかったことを理由として、請求を棄却したそうです。 FRANDとは、Fair, Reasonable And Non-Discriminat…