違法ダウンロードの刑事罰化と音楽配信のコピー制限撤廃

 本日の日本経済新聞の朝刊に、違法ダウンロードを刑事罰化する著作権法改正が成立したため、レコード会社がインターネット配信の楽曲のコピー制限を廃止するとの記事が掲載されています。

 著作権法の改正は、一つの契機にはなったのかもしれません。しかし、違法にコンテンツをダウンロードした者を特定するための公的な手段は整備されておらず、本当に摘発が可能であるのか、仮に摘発できるとしても、その端緒は恣意的なものになってしまうのではないか、という懸念や疑問が呈されている現状で、改正法の成立がビジネス上の判断に決定的な影響を及ぼしたというのは、言い過ぎであるように思います。

 よく言われていることではありますが、(パッケージ+配信)の和が減り続けている理由には、ゲームなどの競合業種が台頭してきたこともあります。違法ダウンロードが不正な行為であることは当然ですが、それだけが原因でコンテンツの販売額が下落しているというわけでもないでしょう。それに加え、これまでは高い音質や画質を追及してきたはずのユーザが、ユーチューブなどの音質や画質でも十分楽しんでしまうようになったという時代の変化も大きいのではないかと思います。

 それにしても、MYUTA判決でプレイスシフトに縛りをかけたのは何だったのかと思わせる記事ではありました。使い勝手の悪いサービスは、ユーザに浸透しないと思うのですが。
http://d.hatena.ne.jp/oneflewover/20120125/1327483402