知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針の一部改正案

 公正取引委員会が、アップルvサムスン事件の知財高裁大合議判決もふまえ、「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」の一部改正案を公表しました。

http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h27/jul/150708.html

 今回の改正案によると、

  • FRAND宣言をした権利者が、willing licenseeに対し、ライセンスを拒絶する又は差止請求訴訟を提起する行為
  • 権利者が、FRAND宣言をした後、FRAND宣言を撤回し、willing licenseeに対し、ライセンスを拒絶する又は差止請求訴訟を提起する行為

は、私的独占(独占禁止法3条)及び不公正な取引方法(同19条)に該当し、排除措置命令の対象となります。

 もっとも、FRAND宣言をしていないアウトサイダーの権利行使や、標準規格ではないものの普及した規格に対する権利行使については、今後の課題です。